激動60年の軌跡 ―プロローグ―
1962年3月5日、東京地図研究社は有限会社として正式に業務をスタートさせました。時代と共に歩み続け、今ここに、設立60周年を迎えることとなりました。この間、地図を取り巻く環境は大いに変わりましたが、我々が地図や位置情報のスペシャリスト集団であることは過去も現在も変わりません。令和の時代となり、次世代を見据えた新たな一歩を踏み出すため、ここに東京地図研究社が辿ってきた60年の系譜を残し、皆様にもお伝えしていきます。
※「黎明期(昭和中期から後期へ)」と「発展期(昭和後期から平成へ)」は40年史を加筆修正したものです
黎明期(昭和中期から後期へ)
昭和33年、塚田建次郎が地図製図業を西荻窪で創業した。陸地測量部時代から身に着けた製図技術・哲学と仲間の協力により、昭和37年には有限会社東京地図研究社を設立し、翌38年、府中市四谷に待望の社屋が完成する。墨製図技術を基盤として実績を積みながら昭和43年に製図の新手法であったスクライブ手法を導入。さらに建設省に測量業者として登録、国土地理院の地形図作成作業を初受注し、昭和44年1月に株式会社へ組織変更を行うことになった。
発展期(昭和後期から平成へ)
昭和43年から、墨製図技術に加えて採り入れたスクライブ製図技術を用いて、国土地理院の地形図・主題図を中心にその技術力と編集能力を発揮する。さらに写真処理設備の整備、現地調査作業への参入と業務を拡大していった。このようにアナログによる地図作成のみにとどまらず、企画・提案等、地図調製業者としての幅と可能性を拡げ、充実の50年代となった。
昭和60年代となり、新社屋の建設による職場環境の整備と人員体制、組織構成の強化によって、デジタル化という時代の波が要求する近代化への基礎固めを図る。そして平成時代に入って、いよいよデジタル手法による地図データ作成が本格的に始まった。
21世紀(平成から令和へ)
21世紀になると、デジタルによる地図調製分野はますます拡張され、GIS(地理情報システム)が日常的なツールとなっていく。創業以来培った地図調製の知見と技術は、GISに用いる基盤データおよびコンテンツデータの作成においてもいかんなく発揮されていった。
ICT全盛の荒波の中、こうした実績を積み重ねながら、東京地図研究社は地図のスペシャリストとして、時代のニーズに応え、また新たなシーズを創り出していく。想像を超えるスピードで進化するICT技術とともに、脈々と受け継がれてきた我々の技術も、日々進化し続けている。